独自データ
よくあるブラックジャックの3つのミス、実際のコストは
BJCPROエンジンでシナリオごとに400万ハンドを回し、ベーシックストラテジーガイドが警告する3つのミスに数字を付けました。
高くつく癖はインシュランスだと思われがちですが、そうではありません。10のペアをスプリットすると、失う期待値は19倍に達します。ソフトハンドをハードハンドのように扱うミスも、インシュランスの3倍近いコストになります。
結論
最も高くつくミスは10のスプリット。しかも大差です
正しいベーシックストラテジーを基準にすると、インシュランスを毎回取る癖のコストは1ハンドあたり約0.30パーセンテージポイントです。10のペアのスプリットは約5.79で、およそ19倍になります。ソフトハンドをハードハンドとして扱うミスはその中間で、0.87です。
いずれもプレイした1ハンドあたりの平均値で、単位はベースベットです。各習慣が長期的にどれだけ期待値を失わせるかを示すものであり、個々のセッションで何が起きるかを示すものではありません。
数字で見る
各ミスのコスト、いずれも400万ハンド
6デッキ、ディーラーはソフト17でスタンド、ブラックジャックの配当は3:2、ペネトレーション75%、スプリット後のダブル可、レイトサレンダー可。
| シナリオ | 1ハンドあたりEV | 正しいプレイとの差 |
|---|---|---|
| ベーシックストラテジー(正しくプレイ) | −0.512% | 基準 |
| ソフトハンドをハードハンドとしてプレイ | −1.381% | 0.87ポイント |
| インシュランスを毎回取る | −0.814% | 0.30ポイント |
| 10のペアをスプリット | −6.302% | 5.79ポイント |
95%信頼区間での誤差幅は±0.113ポイント。
10のスプリットが高くつく理由
ゲーム最強のハンドを自分から壊している
10のペアは20です。多くの場合そのまま勝ち、負けるのはディーラーが21のときだけです。スプリットは、非常に強い1ハンドを平凡な2ハンドに交換し、同時にリスクにさらす金額を倍にします。損失の大きさが意外に思えるのは、影響が積み重なるからです。シミュレーションは製品と同じく3回までの再スプリットを認めているため、1回の誤った判断が、同じラウンド内で強い1ハンドを平凡な4ハンドに変えてしまうこともあります。
- 10のペアはおよそ10ハンドに1回現れるため、このミスは珍しくありません。
- 20でスタンドすることはゲームで最も利益の大きい局面のひとつで、スプリットはそれを自ら手放す行為です。
- 再スプリットのたびに損失が積み重なります。だからこそ他の2つのミスを大きく上回るのです。
インシュランスの意外な結果
インシュランスは不利なベット、ただし損失は小さい
インシュランスは、そのコストに見合わないほど注目を集めています。計算は手作業で確認できるほど単純です。6デッキでは、エースの下に10がある確率は約31%なので、0.5ユニットのインシュランスベットの期待値は約−0.034ユニットです。エースが見えるのはおよそ13ハンドに1回。両者を掛け合わせると1ハンドあたり約0.26ポイントとなり、シミュレーションが測定した0.30に近い値になります。モデルが正しく動いている良い証拠です。
根拠となるカウントがない限り、断るべきベットであることに変わりはありません。ただ、最も損失が大きい癖ではないというだけです。
ソフトハンド
A-7をハード18のように扱うと、ただで得られるチャンスを捨てることになる
ソフトハンドは次の1枚でバーストしません。だからこそ、ハードハンドとは別の打ち方をする価値があります。ソフトとハードを区別せずに合計値だけを暗記したプレイヤーは、ディーラーが9または10のときにソフト18でスタンドしてしまいます。正しくはヒットを続ける場面です。この取り違えだけで1ハンドあたり約0.87ポイントを失い、インシュランスの癖の3倍近くになります。しかもこれは意図的なギャンブルではなく、理解の欠落から生じるミスです。
測定方法
再現可能で、検証する価値がある
シミュレーションは製品を作り直すのではなく、そのまま再利用しています。ハンドの評価にはBJCPROのテーブルを動かしているのと同じ純粋なドメインコードを使い、戦略はトレーナーが参照するマトリクスそのもので、行の対応も同一です。シャッフルは固定シードを使うため、スクリプトを実行すれば誰でも同じ数字が得られます。
- シナリオごとに400万ハンド、ミス1つにつき1シナリオ、同じシードのシュー列で実行しました。
- 各バリアントが変えるのは判断ひとつだけなので、差分はその癖だけを切り出します。
- スプリットしたエースは1枚だけ引いてスタンドし、再スプリットは不可。エンジンの挙動と一致しています。
正直な限界
このルールで一般に公表される0.40–0.46%と比べ、当社の基準値はわずかに悪い値です。条件付きのセルのいくつかが、製品よりも単純に処理されるためです。したがって、絶対値よりも差分のほうが信頼できます。基準値に含まれる小さな系統的な偏りは、引き算をすればおおむね相殺されるからです。「10のスプリットは5.79ポイントのコスト」を結論として受け取り、「ハウスエッジはちょうど0.512%」とは考えないでください。
ハンドを練習する
数字は、練習して初めて行動を変える
10のスプリットが高くつくと知っていても、テーブルでの衝動は止まりません。この記事で扱う3つのハンドは、正しいプレイが自動で出るまで練習する価値があります。
よくある質問
これは自分のお金の0.512%を失うという意味ですか?
いいえ。400万ハンドを通じた平均値です。個々のセッションは上下どちらにもはるかに大きく振れます。それが分散という意味です。
カードカウンティングでこの数字は変わりますか?
インシュランスは変わります。トゥルーカウントが十分に高ければ正しい選択になります。10のスプリットとソフトハンドの誤ったプレイは、通常のカウントの範囲ではどこでも誤りのままです。
この数字は再現できますか?
はい。シミュレーションのスクリプトは固定シードを使うため、同じコマンドで同じ数字が返ります。
BJCPROはベットの仕方を教えているのですか?
いいえ。BJCPROは学習と分析のためのツールです。賭けは伴いません。カジノを運営することも、結果を保証することもありません。
出典と参考文献
- Wizard of Odds — ブラックジャックのハウスエッジ計算ツール — ルールセット別の参照値。基準値の妥当性確認に使用。
- Edward O. Thorp, Beat the Dealer — ベーシックストラテジーが言い伝えではなく計算結果として生まれた起点。
- Peter Griffin, The Theory of Blackjack — 期待値と、正しいプレイから外れたときのコスト。
- National Council on Problem Gambling — 責任あるプレイのための情報源。
